SPECIAL 3
地元大学からの就職
大学の研究活動を支援する
ケイズとの縁
K.I
研究員 本社勤務 ｜ 2022年 新卒入社
地元大学の博士課程から
研究職へ。
その夢は、ケイズに
つながった。
技術の未来のために、研究を志す学生を支援したい。
その思いから設立されたケイズ特別奨学金制度。
大学は地元の鳥取大学工学部の知能情報工学科に入学しまして、当時はプログラミングに関する知識や技術、数理最適化などの数学について学んでいました。大学時代に私が選んだ研究テーマは、看護師の患者さんに対する判断を数理モデルにする、というものです。看護師は、入院患者の状態について、電子カルテ情報に基づきさまざまな判断を下しています。「危ない、転倒しそうだ」「今日は大丈夫そうだ」といった判断は患者さんを目で見た時の感覚なんですが、その感覚を数学的な法則に落とし込んでみました。ケイズには、深度センサーを使った患者さんの寝姿勢を判定するシステムがありますが、これは私の研究から派生した技術です。
大学には、研究の世界に興味を持ち、博士課程を目指す学生がいます。しかし、いざ博士課程に進もうとすると大きなハードルが行く手を阻みます。一つは、経済の問題。なるべく研究に時間を割こうとすると、アルバイトも満足にできません。もう一つが、就職の問題。がんばって博士号を取得しても、その後、安定した職に就けるとは限りません。
鳥取大学と株式会社ケイズは、長らく技術的な交流があり、研究人材の育成についても問題意識を共有していました。この両者が、研究を志す学生のために具体的な支援制度を検討しているという噂を聞いた私は、迷わず手を挙げ、博士課程に進みたい、そしてそのための支援を受けたいことを伝えました。このことがきっかけで、現在のケイズ特別奨学金制度ができたのだそうです。私は、その最初の利用者ということになります。
奨学金のご縁があったので、ケイズに就職するのは自然な流れではあったのですが、別の大きな理由に地元への愛着があります。私は鳥取県で生まれ育ったので、できれば地元企業に就職したいと考えていました。それに、大学や就職のことではできるだけ両親に負担をかけたくないという思いもありました。山陰地方で、しかもIT分野の研究部門があるケイズは、私の条件にぴったり合っていたんです。
現場に寄り添い、多くの視点で深く考える。
そんな企業の研究者としての姿勢が今、身についている。
博士課程の頃は看護分野と連携しながら研究を進めていましたが、ケイズ入社後は全く関わる分野が変わりました。今は、主に製造分野におけるフィールド課題を解決するために、必要な要素技術の研究開発に携わっています。具体的には、センサーやAI、画像解析技術を駆使して、工場で生産される部品の出来高管理、不良品の判定、さらには現場で働く人のコンディションを見極めるための技術です。
実際の現場で起きている課題の解決は、仮説通りにはいかないことが多く、やはり難しいです。ただ、そこで失敗しました、残念でしたで終わるのではなく、失敗した要因を分析して、どうすればうまくいくのかを考え抜いて、めげずに次の仮説を立てることが自分の仕事だと思っています。課題を一つずつ解消していきながら試行錯誤を繰り返すことで、最終的に本来目指していた目的を達成できた時には、大きなやりがいを感じます。
入社後、自分が変わったと感じるのは、より多くの視点でより深く考えられるようになったことです。例えば、画像解析による不良品の外観検査を行うのなら、高精度で計測誤差の少ないカメラを使えばいい。けれど、そういうカメラは高額で、予算と折り合わなくなってしまいます。あるいは、画像解析のアルゴリズムに複雑な手法を採用すれば、良い結果が得られやすい。しかし、分析時間がかかってしまい、製品1個ができるタクトタイムよりも画像判定の時間の方が長いのなら、工場をいちいち一時停止しなくてはなりません。それでは使い物になりませんから。社会人としていろいろな現場でお客様と交流する中で、多くの考える視点を身につけられたと思います。それが、今、実感する自分自身の変化ですね。
自分の研究分野だけでなく他分野に見聞を広げ、
お客様の課題解決に尽力したい。
ある研究分野に関する深い知識、高い技能を持っている人に対しては、同じ研究者として憧れを抱きます。一方で、企業のお客様が現場で抱えている問題を解決したくとも、業界の知識、例えば今の私の場合なら製造業の常識を知らないままでは太刀打ちできません。自分が得意とする研究領域の技術は、お客様の業界に適用できるのか。そういう判断は、業界知識なしでは難しいと思います。
ですから、将来的には自分の専門分野だけにとどまらず、他分野にも見聞を広げ、理論と実践の両方を考慮できる人材となり、さまざまな課題解決のために力を尽くしたいと思います。
MESSAGE
今は、インターネットで調べればいろいろな情報を入手できます。ただし、その情報は自分にとって有益にも毒にもなります。情報は自分が何かを判断する際に有用ですが、それに惑わされないように気をつけなければなりません。自分にやりたいことや夢があるなら、信じて突き進んでほしいと思います。
COLUMNオフの過ごし方
私の趣味はゴルフで、練習場にも行きますし、
知り合いの方たちとコースを回ることもあります。
ケイズは定期的にゴルフコンペを開催していて、そこにも参加します。たいてい下の方の順位なんですけどね。
fin.
